皆様こんにちは。
日々、目まぐるしく変化している市場環境に企業が順応し、国際競争で生き残る為にリスキング(学びなおし)を政府が推奨し、企業としても社員に求め、制度化される事例が少しずつ出てきました。
このこと自体は非常に歓迎されることですし、私自身も興味関心の持てることや、自身の成長に繋がることであれば是非リスキングを行いたいと思います。
一方で日本企業らしさもあり、違和感を感じる新聞記事が出ました。
3/27の日経新聞朝刊に出た以下の記事です。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69605290W3A320C2TB0000/
「役員が動いて会社を変える」という内容の記事で、DX化に順応する為ITに精通した人材育成を急務と考えるが、社員に一方的に命令するのではなく、社長自らがITパスポートの資格を取得し、率先垂範になるという記事です。
この社長の行動自体はものすごく良い事で、記事にもありますが、
経営層があまり関与せずに「学ぶのは社員」と考え、現場任せになりがちなリスキングにおいては模範となる行動だと思います。
しかし、私が気になったのは、その社長の行動を受けての同資格の取得率です。「昨年12月時点で役員の83%が合格。部長・本部長職では50%、課長は37%、一般社員は20%が取得」とあります。
役員、部長・本部長職は本当にこの資格を取得することで、自社が良くなると思って取得したのでしょうか。もちろん、そう思い取得した方も大勢いると思いますが、私はそれ以上に社長に対してのアピールに重きを置いた行動になっていないかが気になりました。
DX、IoTに関わる資格はほかにも多くあります。AWSや基本情報技術者、応用情報技術者等、多岐に渡ります。おそらく部門や部署ごとに必要な資格は異なるはずです。
リスキングの本質は学びなおす事での自身および所属する部門や部署、自社の成長の為ではないでしょうか。この本質をないがしろにし、いわれるがまま、上に従うままで資格取得に時間を費やすことは、本質とはズレていると思います。
この日本企業らしい経営者絶対主義の流れが、リスキングの本質を阻害している気がしてならず、自分自身への戒めも含め、本記事を書かせて頂きました。
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